「大腸がんの手術を受ける人へ」的な資料(紙の束)を病院でもらいました。
いまどういう状態で、どんな手術をするのか、どういう注意点があって、どういう予後が予想されるのか・・・など、とても勉強になり、便利でした。
一方で、私たちが「手術」というものについて全く知識がない状態だったので、
読んでいてびっくりしたり、怖くなったりするような内容もけっこう多かったです。
今回はその内容について簡単にまとめていきます。
※ちょっと、手術前のひとにとっては不安になったり心配になるような内容も多いので、以下気をつけて(?)読んでくださいね☺
手術の説明を読んで思ったこと
手術してみないとわからない
まず読んでいて「こわっ!」と思ったのが、
「とにかく、手術をやってみないと実際どうなるかわからない」という強調が多いこと。
たとえば、
- 今はないけど、想定よりがんが進行していた場合は人工肛門になる可能性もある。
- もし手術で他の臓器への転移があることがわかって、
そこも一緒に切除した方がいいと判断したら切り取る。 - もしくは、他の臓器もいっしょに切り取らないと結腸がんを切除できないとなった場合も切り取る。
- まわりの臓器を損傷したり、やむをえず複数の臓器を切除する可能性もある。
- 状況によっては腹腔鏡手術を中止して、開腹手術に切り替える場合もある。
(大量出血等や、腹腔鏡では適切に処置できないと判断した場合)
など・・・😨
「今のところは大腸がんの周囲を切り取ればOKという想定で手術するけど、
実際に中を見てみたら実は転移しまくってた。」
「麻酔から目が覚めたら、他の臓器がなくなってた。」
とかいう可能性が、0ではないってこと・・・なんですよね・・・
手術中の不測の事態に関しても、
それはこの手術に限ったことではないですし、なんらかの手術を受けるときには”念のため”必ずこういった説明と同意書があるはずですし、
と、頭ではわかっているんですけど、
いざ夫がその状態になってしまったら・・・と想像すると恐怖がものすごかったです。
でも、無駄に不安をあおりたいわけじゃなく、
こういうこともちゃんと把握した上で手術に臨まないといけないんですよね😢
術後の合併症
手術のあとに起こる合併症についても、具体的なパーセンテージ(確率)とともに記載されていてリアルでした。
「0にすることは不可能であることを理解してください。」と書かれていてさらに恐怖・・・
たとえば、
- 縫合不全
大腸を切り取った部分をつなぎ合わせるときにぴったりくっつかなかったところから便が腹腔内にもれてしまって、腹膜炎&再手術、というパターンがあるそう。
これは0.2%の確率、つまり1,000人に2人なんですけど、「500人に1人」と思うとけっこう多くないですか・・・?😨
しかも、結腸癌が直腸にまでかかっていたら、結腸と直腸をつなぐ縫合不全の確率は1%にアップするとか不吉なことも書かれていました・・・
(夫の手術部位であるS状結腸と直腸は近いので、ひやひや)
- 腸閉塞
これについては「ある程度避けがたい」と書かれており、わりと頻繁に起こるようです。
大腸を切った部分の傷が治る過程で、かならず大小なりとも”癒着”(ひっつくこと)が起こります。
そのとき変なひっつき方をして腸をふさぐような状態になってしまうと腸閉塞を引き起こし、腸内に便がつっかえて大変なことになる・・・と。
腹腔鏡下の大腸がんの手術後、腸閉塞になる割合は約3%というデータがあるそう。
3%ってけっこう高いな!!!と思いました💦
実際、手術後の生活で気をつけたことNo.1は、腸閉塞だったかもしれないです。
(どういうふうに気をつけるのかなどは、退院後の記事にしますね)
- その他
ほかにも術後の出血・創感染、腹壁ヘルニア・心筋梗塞・・・などいろいろ書かれていました。
中でも、創感染は全体の2%、腹壁ヘルニアは3~5%の確率ということで、
これも結構高くないか・・・?とかなり不安になりました。
地味にショックだったこと
さらに、夫が地味にショックを受けていたのが、
「結腸がんの手術を受ける場合、男性は一部射精障害をきたす場合がある」という部分。
手術する場所に神経が多く集まっていて、
万が一それが傷がついたり影響を受けたりすると、そういうことも起こるそうなのです。
「大腸がんの手術で男性機能を失うかもしれない」とはまさか1ミリも想像していなかったので、びっくり。
夫はけっこう不安がっていました(^^;)そりゃそうですよね・・・
再発について
だれもが気になる「再発」については、具体的なパーセンテージと共にいろんなことが記載されていました。
(この辺はネットで調べてもいろいろな情報が出てきますね)
なんかもうすべてのパーセンテージが「結構高くないか?」と感じるのですが、
この数字をどう受け取ればいいのか・・・めっぽう数字に弱い私には余計に不安な内容でした(笑)
とにかく「再発」ということに関して説明を読むのはけっこう辛かったです😢
手術だけじゃなく、この先長いこといろんな不安に苛まれながら生きなきゃいけないんだ・・・みたいなことを、改めて考えました。
手術だけですでにもう頭も心もいっぱいいっぱいですけど・・・?という感じですが。
でも、以前の記事でも書いたなぞのポジティブを発揮し、
「これはもう怖がっていてもどうしようもない!」と思うことにしました。
正直ネットで検索しはじめるとエンドレスで、ドツボにはまります。
調べても調べても終わりが見えず、ああああああぁ…となります(^^;)
手術の経過もよく健康的に生活できている今現在も、
心の中では再発の恐怖にどきどきびくびくしながら生きている部分もあります。
しかし、どこかで割りきらないと生きていけません。
再発しないために、手術、検査、治療をするんだ。
再発してもなんとかなるように通院してるんだ。・・・と自分に言い聞かせてます。
その他気になったこと
怖い内容以外にも、気になったポイントをいくつか。
「1日1回、太くてしっかりした便が出る」のが正常な排便状態だと思っている人が多いけど、回数や固さは一定ではない。
1日に複数回出たっていいし、便の太さや固さもいつも同じじゃなくていい。
それより、「苦痛を伴う排便」「生活に支障をきたす」レベルになることが異常。
ということが書かれていて、
まさに自分が「1日1回しっかりした便が出るべき」と勘違いしていたと気付きました(笑)
むしろ、排便回数が多いことはいいことなんじゃないかと思うようになりました。
特に手術後としては、詰まる(出ない)よりじゃんじゃん出てくれた方が100倍いいですよね。
何事もなければ、当日に水分摂取可能、2日目に流動食開始、術後7~10日で退院できる。
退院後の生活は、1か月は禁酒・急いで食べない・満腹まで食べない(腸閉塞を防ぐため)。
と書かれていました。
「2日目にもう流動食たべるんだ・・・」というのがちょっと意外でした。
また退院後は「食事制限は特にない」とも書かれていてびっくり。
てっきり、もう焼肉や次郎系ラーメンなど脂っこいものは食べられないかもと思っていたので。
(もちろん退院後すぐはやめた方がいいと思いますが)
入院中の食事、退院後の食生活については追々くわしく書いていきます。
特になんというわけではないのですが気になったのが、
「手術の他に、がんを治療する方法として、
化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療、その他免疫療法などがあるが、
手術以外の治療法だと治癒する可能性が著しく低くなります。」
いまの時点では根治切除(がんの部分を切り取るだけで済む)が可能なので、手術が最良の選択だと考えられる、と書かれていました。
私たちは特に何も考えず、言われた通り手術を受けるつもりでいましたが、
「ぜったい手術はイヤ!!!!」という人も中にはいるだろうなぁと思いました。
もちろん本人の望む治療法を受けられるのが一番ですが、
手術が一番治癒に近いんだよ~と、やんわり釘を刺している(?)みたいな表現だったのが、なんか興味深かったです。
手術をしてくださる先生は、
「手術して1か月くらいは、体の調子や排便の様子が以前と違って気になると思うけど、元通りに戻れる可能性は高いと思います」と言って下さったのですが、
この「手術を受けられる方へ」の資料には、
「腸を切除している以上、前と同じ状態には戻らないと考えてください」的なふうに書かれていて、
ちょっと・・・なんとも言えない気持ちになりましたね・・・
そりゃそうだよなぁ、内臓を切り取る・・・しかも腸が15㎝以上も短くなるんだから、
何も変わらないなんてことないよなぁ・・・と思いました。
※ただ、術後しばらくは結構いろいろ大変でしたが、
いま現在は「ほとんど以前と同じように」生活していますよ!
(気をつけることは多いですけどね)
まとめ:すべて理解して手術を受ける
いろいろ怖いことを書いてしまったのですが、
とにもかくにも、手術の説明はすみからすみまでしっかり読んだ方がいいです。
正直不安にさせられますし、恐怖が増します。
あと(うちの病院の資料は)量が多い(^^;)
でも、私たちだけかもしれないけど、
「大腸を切り取る手術」と理解していても、具体的に何が起きるのかってすごくぼんやりしていませんか?
資料をしっかり読んだことで、
こういう手術で、こういう危険があって、こういうことが起こり得る。
ということを把握することができ、手術の「なんだかよくわからない漠然としたイメージ」をハッキリさせることができました。
手術は怖いことなんだ。だからしっかり理解して臨まないといけないんだ。と認識でき、
あやふやなまま、言われるがまま、されるがまま手術を受けるよりはよかったなと思っています。
(もちろん病院によって資料の中身はちがうと思いますが、くまなく読んでくださいね^^)