夫(30代)が大腸がん?!

家族が突然がんになったら

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(5)検査の結果、大腸がん確定

大腸内視鏡検査を終えて、まだフラフラしている夫と共に、診察室に入ります。

この時はまだ、
「大丈夫だよ!きっと何にもないよ!」というなぞの楽観思考が働いていて、
特になんの覚悟もしていませんでした…

というより、悪いことは考えたくないという気持ちが大きすぎたのかもしれません。

先生から検査後の説明

診察室に入って椅子に座り、モニターに内視鏡で撮った写真を映しながらの説明が始まりました。

「大腸の中の写真」ってそうそう見る機会はないと思うのですが、
思ったよりずっと鮮明で、毛細血管までくっきり見えるほど、「スマホで撮ったのかな?」というくらいきれいに写っていて、驚きました。

大腸内視鏡検査は、大腸の小腸側から始まって肛門側へと見ていくのですが、
しばらくスイスイ写真と説明を進めていた先生の手が途中で止まり、少し言いづらそうな感じで語尾を濁しながら、

「ちょっとこれはっていう・・・ええ・・・いわゆる腫瘍・・・と思われるものが・・・」と。

「腫瘍」という言葉に脳内パニック

(え?腫瘍?しゅよう?ってあの腫瘍?待って、腫瘍ってなんだっけ?良性とか悪性とかいうやつ?大丈夫なやつだっけ?やばいやつだっけ?がん?がんじゃない?あれ?あれ?)

と、頭の中は一瞬で大パニックに。
ものすごい速さで脳がぐるぐる高速回転して一生懸命考えているのを、客観的に落ち着いて見ているような、変な気持ちでした(笑)

リアクションとしては私も夫も、一言も発しませんでした。

該当の部位は、おなかの左下のあたり、下行結腸と言われる場所。
腫瘍は2センチ大で、写真を見せてもらうと、アワビみたいな、ぶあつい唇をすぼめたような、不思議な形をしていました。

見やすくするために”青い液体”をかけられていたので、
余計におどろおどろしくて、地球外生命体みたいな、何とも言えない不気味さがありました。

色素散布(青い液体)

該当箇所を見やすくするために、青い液体を内視鏡から散布するそうです。
腸内がピンク色なので、青い液体を撒くことにより、液の溜まるところとそうでないところで凹凸がくっきり見えるようになります。

※この青い色素を撒いているため、検査後、便や尿が青色になることがあるそうです。
しばらくすれば消えるので、心配しなくてOKとのこと。

この腫瘍をより詳しく調べるために、
内視鏡の先端についた器具で、腫瘍の4か所から組織を切り取ったので、
それを専門機関に「生検」というのに出します、と言われました。

1週間くらいで生検の結果が出るので、結果が届いたら電話します、また来院してもらって対面で結果をお伝えします。と。

生検(せいけん)とは

病変の組織を少し切り取って、それを顕微鏡などでくわしく調べて、正確な診断を下すための検査のこと。
それ専門の外部機関に検査を依頼するようでした。

ついに「がん」の言葉が

先生は、はっきり「がん」という言葉をなかなか口にしなかったので、
諸々の長~い説明の間、「その腫瘍は結局なんなのか?いい状態なのか、よくない状態なのか?」がわからなくて、ずっとヤキモキさせられていました(笑)

が、結局先生は最後に、
「まだ内視鏡だけでは何も明確には言えないが、今までの経験と状態からすると・・・おそらく『がん』だと思う
と仰いました。

・まだ若いのに非常に珍しいということ。
・大きさと形状(真ん中のへこみ)からすると、ここ最近で出来たものではないと思われる、ということ。
・腫瘍が小さければ、発見時点で内視鏡で除去して済む場合もあるが、それはできない大きさだった。

ということも言われました。

腫瘍の形、へこみ

腫瘍は、はじめはぽこっと丸く盛り上がった形をしていることが多いようで、
それが成長するにつれて肥大し、いずれ真ん中がへこんでいき、そこからどんどん地面(体内)に沈んで浸潤していくそうです。

つまり、盛り上がった真ん中に凹みがあるということは、発生してからある程度時間がたった腫瘍の可能性が高い、ということになります。

↓の左側の図がわかりやすいです。


出典:JSCCR | 大腸癌研究会 - 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン

「がん」と言われたときの感覚

月並みな表現ですが、血の気がサーーーーっと引いていった感じがした一方で、

(あ・・・やっぱそうなんだ。)
と、妙に冷静な自分もいました。

というより、
言葉の意味はわかるんだけどぜんぜん頭に入ってこないみたいな、
理解できるんだけど理解できないみたいな・・・

夫はショックだったんでしょう、ほとんど何も言わなかったので、
私が代わりに「はい。はい。あ、そうなんですね」と、先生の話に、謎に元気よく相槌を打っていました。

我ながらあっけらかんとして、全く動じてないみたいなリアクションでしたが、
正直混乱しすぎて頭の中は完全にフリーズして真っ白になってました(笑)

この時点ではまったく実感が湧いていませんでしたし、
もはや他人事のような、自分たちのことじゃない話を聞いているかのような感じさえありました。

その後の流れ

話し方的には「がんかどうかは生検の結果次第」としつつも、
先生はもうがんと確信してるんだろうな~と思ったのが、

「大病院の消化器外科の先生に伝えておくから、再来週の〇曜日、大病院の方へ行くことになるかもって予定だけしておいてください」と言われたこと。

生検の結果を待たずして、大病院の予約をしなきゃいけない状態なんだな、と思いました。
(単に大病院の先生が忙しくてなかなか掴まらないから、という理由もあるかもですが)

がんが確定したら、おそらく大病院で手術を受けることになるだろうという話もされました。

とは言ってもそこまで悪い状態まではいっていないから、手術で取り切れれば大丈夫だろう、
大きな病院なので、「腹腔鏡(ふくくうきょう)手術」という、お腹の傷が小さくて済む手術になるだろうから、開腹手術(お腹を大きく切り開く)ほどの負担はないだろう、
という話も。

※大病院や手術については、後の記事でくわしく説明します。

 ・  ・  ・

そうして数日後にクリニックから「生検の結果が届いた」と連絡があり、結果を聞きに行きました。

結果はもちろん、「大腸がん」。

外部機関に依頼した生検の結果報告書をもらったのですが、そこには、
「切り取った4か所中3か所がGroup5、1か所がGroup4」と書かれていました。

Groupとは?

その病変が良性なのか悪性なのか、がんなのかそうでないのかを示す分類で、
よく聞くがんの「ステージ1」「ステージ2」等とは別物です。
(ステージ=がんの進行度を示す分類)

Group4は”がんの疑いあり”。Group5は”がん”。
つまり夫の腫瘍は、採取した4つの組織のうちほぼ全部ががんだったということです。

このGroup4と、がんのステージ4(末期がんと言われる)を混同し、
「もうやばいんだ」と思って絶望してしまうひとが多いみたいなのですが、Groupとステージが全く別のものであるということを理解しておきましょう。
(参考になるWebサイト → グループ4とは末期がんでしょうか:がんナビ

当初言われていた通り、翌週に大病院の消化器外科の先生とお会いすることになり、
クリニックの先生から紹介状を渡されました。

内視鏡検査の日すでに、生検の結果を待たずとも「がん」と宣告されたようなものだったので、
この日改めて「がんでした」と言われたときも、「ええ、そうですよね」という諦めみたいな気持ちしか湧きませんでした。

とは言え、やっぱり「何かのまちがいであってほしい」という気持ちはずっと捨てられなかったので、
ショックはショックでしたね・・・

しかし、このときも私は、まだ”実感”というものを持てずにふわふわした気持ちでいたのでした。